指の隙間からこぼれる砂のごとく


親の役割りとは、子供を一人前の独立した人間に育て、手放すこと。
そう思っている私は、最近では、重要な決めごとも子供にさせてきました。

ハイスクールに入学する時も、「この学校に行きなさい」ではなく、
3つのチョイスがあったので、それぞれの長所短所を検討したうえで、
最終決定は、彼女にしてもらいました。

リコは、さんざん迷ったあげく、遠くの学力レベルの高い学校よりも、
近くのそこより学業レベルは劣るけれど、そこそこレベルで、
音楽とダンスが強い学校を、自分で決めました。
今は、ダンスリーダーと、バンドメンバーとして、
とても喜んで通っています。

だんだん自分で考え、決断し、
自分の決定に責任を持つ心構えもできてきたことを、
私とダンナは、先日、思い知らさせました。

夕食のテーブルで、「今から大事なアナウンスがあります」
と、彼女が言うので、何事かと思ったら、
アルトサックスを止めて、テナーサックスに転向するとの発表。
もう、学校でオーディションも受けたそうです。

その理由は、彼女は今ステージバンド2で、
ファーストサックスを担当していますが、
コンサートバンド1で、テナーサックスの募集があって、
アルトからテナーに転向すれば、コンサートバンド1と、
ステージバンド1に、今すぐプロモートされるから・・・。

コンサートバンド1もステージバンド1も、
シニア(高校生)の生徒がほとんどで、
去年もヨーロッパのコンクールに出場しました。
ジュニア(中学生)メンバーは、数少ないので
先輩たちについていくため、頑張りがいがあるとのこと。

そして、現在コンサートバンド1の、唯一のテナーサックス奏者は、
学校一の才能あるミュージシャンで、彼からたくさん学べるよ、
と、バンドマスターのお墨付きもあったそうです。

私も彼の演奏は聴いたことがありますが、本当にプロ並み。
そんなイヤー12の大先輩と、リコが一緒のバンドで大丈夫?
と思ったけれど、彼女の中では、ちゃんと考え、
結論をだしていたようでした。

問題は、コンサートバンド2でリコが担当しているオーボエ。
こちらも上達したら、いづれはコンサートバンド1に昇格するだろうけれど、同じバンドで2つの楽器は演奏できません。

「オーボエはどうするの?」と、聞いたら
オーボエは、学校以外のノースショア選抜バンドでやっているから
学校のバンドではできなくなっても構わない、ということ。
いつかは、どちらかの楽器ひとつに決める時がくると思うけど、
今はどちらも、チャレンジングな環境で演奏したいのですって・・・。

「へぇー・・・・」

何故か、リコの勢いに押されて、
私もダンナも、ちょっと唖然としてしまいました。

「どうしたの?何かコメントはないの?」って、聞かれるまで無言。

「・・・そうなんだ、テナーに転向してコンサートバンド1に上がるんだ・・・」

「それだけ?『すっご~い、よかったね!』とか言わないの?」

「すご~い、よかったね!」って、そのまんましか言えない私。
ダンナも「・・・Good!・・・」だけ。

もう、何でも自分で決められるようになったんだ・・・
と、感慨深いほうが先にたって、二人ともぼーっとしていました。

ちょっとの間に成長したなぁ・・・(背は低いけど)。ついこの前まで
『ねえねえ、どうしたらいいと思う?』って、つまらない事まで聞いてきて
自分では、何も決められない子だったのに・・・。

本当に、リコの成長を思い知った一件でした。
一人っ子だから、甘やかさないようにと、
特に自立心をあおるように育ててきたけど、
今までは、その努力もむなしく甘ちゃんのリコでした。

でも、13歳の彼女は一年前の彼女とは、別人のようです。
やっぱり時がくれば、どんどん大人への階段を登っていくのね。
と、本当に感慨深い・・・
そして、一抹の淋しさもあり・・・もうこれ以上大きくならないで、
と、実は思ってしまう私もいます。

ダンナも、きっとすごく淋しいだろうな。
リコを肩車している時の写真を見ては、
「これが最後のかたぐるまだったな・・・」なんて言ってるから。

本当に指と指の隙間をこぼれる砂のように、
あっという間に時間が流れ落ちて、
娘がすぐに大人になってしまうようで・・・、
親ってなんだか・・・切ないね・・・。
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by dewdrop3 | 2010-03-09 00:00 | 家族の話

シドニーでボディ・マインド・スピリットのバランスのとれた、さとう式的ゆるキラ・ライフ♪


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