義父のメッセージ


亡くなったお義父さんは、本当に多くの人に慕われていました。
そして、いかに惜しまれて逝ったか、よくわかりました。

彼は町の名士でも、お金持ちでもありませんでした。
でも、彼ほど穏やかで思いやりのある人は知らない、と
誰もが言うような人でした。
私にとっても、とても優しい義父で、
彼から愚痴や人の悪口を聞いたことがありません。

義父の父親は、義父が16歳の時に亡くなり、
長男だった義父が、家業を引き継いで弟と妹、
そして英語のよく話せない架橋の母親を支えていったのでした。
成績優秀で特待生に選ばれたにもかかわらず、
学業よりも自分の責任として、一家の大黒柱になりました。

そんな自分の運命を呪うことなく
淡々と受け入れて、家族を支えたそうです。
そして、弟や妹たちが独立していってから
初めて自分の仕事や趣味を、再度楽しめるようになりました。

テニスでは、オーストラリアオープンの開催されるメルボルンの『ロッド・レーバー・アリーナ』
で有名な、そのロッド・レーバーというテニスプレーヤーを接戦の上、破った、
というのが義父の自慢でした。
でも、それは義父が11歳で、ロッド・レーバーが9歳だった時に、というオチ付きですけど…。

そして、義父は自分の家族だけでなく、
彼の弟の子供たち、姪や甥にとっても大きな支えとなりました。
弟の妻が亡くなって間もなく、弟は再婚しましたが、
子供たちは、母を失った悲しみからまだ癒えていないのに
新しい母親が来るなんてとんでもない、とばかりに
怒りが父親に向き、親子関係が破綻してしまったからでした。

何年もしっくりいかない弟家族を取り持ったのが義父でした。
いつでも甥や姪の話を聞き、力になっていたそうです。

葬儀の後に、義父の甥、リックが私に一冊の古い本をくれました。
それは、自分の父親と継母と一緒に過ごしたくない彼が、
義父の家でホリデーを過ごした後、帰宅しなくてはいけない日に、
電車の中で読む本を借りていこうと本棚を見ていた時に、
本棚から頭の上に落ちてきた本だそうです。

そして、それはリックの人生を変えた本でした。
今で言うスピリチュアルな本、見えない世界について書かれたものですが、
リックは電車の中でその本を読み、涙が止まらなかったそうです。
ラグビー青年で、体育会系の彼にとって、
そんな読書体験は初めてでした。

リックは自分を置いて先に死んでしまった母親を
何年も許せず、そして再婚した父にも怒りの気持ちで一杯でした。
それが、その本で一気に何かが溶け出し、
心の平安を求めて瞑想会などにも参加するようになったとか。

そして、その瞑想会で知り合ったサイキックの方が
「あなたにメッセージが来ているのだけど…」とリックを呼び止め、
7歳の時と8歳の時の、このエピソードを話せば
リックには誰からのメッセージかわかるはずだから、と言われて
子供時代のエピソードをリックに伝えました。
それは、リックと彼の母親しか知らない出来事でした。

リックは亡くなった母親からのメッセージを受け取って
死後の世界、魂の存在を本当に信じるようになったのだそうです。
そして、自分を愛してくれている母への感謝でいっぱいだった…と。

そのきっかけとなった本を、リックが私に手渡してくれました。

こんな内容の本が義父の家にあったこと自体、とても不思議ですが、
リックは、「遅くなって悪いけど、今やっと返せるよ。
先入観を持たないで、みんなも読んでみるといいと思って…
伯父さんは、僕にとって父親以上の存在だったよ」
と、悲しみに沈んでいるダンナや
ダンナの弟たちにも、本を廻して欲しいとのことでした。

私もその本を読もうと思います。
お義父さんからのメッセージが、
その本にはきっと詰まっているはずだから。
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by dewdrop3 | 2009-11-18 21:26 | 不思議な話

シドニーでボディ・マインド・スピリットのバランスのとれた、さとう式的ゆるキラ・ライフ♪


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